【経営工学キーワード】損害賠償

経営工学
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

はじめに

経営工学に関連したキーワードを学習していて気付いたことがあります。

「多面的な視点が養われ、汎用性がめちゃ高い!」
「技術士二次試験の経営工学部門に限らず、多くの部門に応用可能な知識や方法論が満載!」

ということで、技術士二次試験(経営工学部門)の対策をしている時にまとめてきたキーワード集をほとんどそのままご紹介!
本経営工学キーワードシリーズの記事の特徴として、ある1つのキーワードをについて

  1. キーワード名
  2. キーワードを取り巻く背景
  3. 原理と特徴
  4. 問題点
  5. 解決策
  6. 応用例
  7. 今後の展望

これらのような、あるいはこれらに近い視点でまとめています。
これはそのまま、技術士二次試験対策に直結するまとめ方です。

このシリーズの記事は次のような方にオススメです!

キーワード名

損害賠償

定義

損害賠償とは、「債務不履行や不法行為によって、他人に損害を与えた人が、被害者に対してその損害を補償する」というもの。
たとえば他人に大切なものを壊されてしまった場合、被害を受けた人は壊されたものの弁償を要求することができる。
また、交通事故を起こして怪我をしてしまった場合は、経済的な損失に加えて、精神的に受けた損害に対する慰謝料も請求可能。

特徴

例えば、不動産の売買契約において、当事者の一方が債務を履行しない場合に備えて、あらかじめ損害賠償の金額を取り決めておくことがある。
このような予定された賠償金額のことを「損害賠償額の予定」と呼ぶ。

「損害賠償額の予定」を契約に盛り込むことにより、売買契約の当事者は将来に債務の不履行が発生した場合には、実際の損害額を立証しなくとも、所定の金額の損害賠償を請求できるというメリットがある。

問題点

実際の損害額が、予定された賠償額よりも少ない場合であっても、債務を履行しない債務者には予定された賠償額を支払う責任が生ずるので、債務者にとっては過剰な支払いとなる可能性がある。
このように、当事者(不動産取引であれば、買主・売主の双方)のいずれか一方が不利になる可能性があるのが問題点である。

解決策

上記の問題点を解消するため「損害賠償額の予定」に関する契約条項は、当事者の一方に不利なものとなる可能性がある。
そこで例えば宅地建物取引業法では、”宅地建物取引業者が売主”となる宅地建物の売買契約においては、「損害賠償額の予定」と「違約金」との合計額が売買代金の2割を超えてはならないと定めている(宅地建物取引業法第38条)。

この宅地建物取引業法第38条により、売買取引に精通していない一般の買主が不利にならないように保護しているのである。
ただし宅地建物取引業者同士の売買取引については、この宅地建物取引業法第38条は適用されない。

適用例

〇債務不履行(契約違反)が起きた場合
【例】納品直前のキャンセル
A社がB社から商品を大量に仕入れる契約をしていたのに、A社が納品直前で一方的にキャンセル。
B社はすでに商品の準備をしていたため、大きな損害が出る。
こうした事例の場合、契約内容に基づいて商品を購入してもらうことが原則となる。
どうしてもキャンセルするということであれば、それによって起きる損害に対して賠償を求めることができる。

〇不法行為があった場合
【例】自転車事故
転車事故は「過失傷害罪」や「過失致死罪」に分類される刑事事件ですが、加害者は民事上も責任を負うことになる。
被害者は事故によって生じる治療費や、後遺症に対する慰謝料などを請求することができる。
自転車を運転する人は、自転車が軽車両であることを自覚して、安全運転を心がけるとともに、保険にも加入しておいたほうが良い。

ただし、損害賠償が発生しないケースもある。

  • 【例1】損害を負った時点から20年、もしくは損害を受けたことを知ってから3年が経過している
  •  ∵損害が発生した日から長期間が経過している場合は時効が成立し、損害賠償請求の対象外となる場合がある 
     

  • 【例2】被災など、相手の努力では絶対に避けられない理由で損害が発生してしまった
  •  ∵故意ではない理由で発生した損害の中でも、天災によるものなどは損害賠償請求の対象外となる場合がある

今後の展望

各業界によって、損害賠償に対する考えや動きは様々である。
例えば、 『工業所有権審議会 損害賠償等小委員会報告書』(1997年)が引用する日経産業新聞1997年8月29日号等に示されているとおり、産業界には知的財産権侵害訴訟において現在認められている損害賠償額は、救済として不十分であると考えている企業が相当数にのぼる。
知的財産権法制を利用する者の大多数が企業であることを考えると、知的財産権侵害訴訟における賠償額を増加することが民意であると言える。

上記のような意見が専門家の中では出てきており、損害に対する認識の重み・諸権利の保護が今後ますます拡大する傾向になると考えられる。
それに伴い、損害賠償の増加や、当事者の一方が不利益を被らないような公平性を担保した法体系の複雑化などが予想される。

参考

コメント

タイトルとURLをコピーしました