新旧コンピテンシーの徹底研究!| 2025年~技術士二次試験対策

技術士試験【全部門】
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はじめに

技術士試験対策、特に二次試験の「論文試験」および「面接試験」においてはコンピテンシーの理解が重要であることは、こちらの記事で解説しています。

【技術士】二次試験 「コンピテンシー」を理解しさらに勝率を上げよう
技術士二次試験は、コンピテンシー(資質能力)が試される試験と言い切ってしまってもいいです。で、そのコンピテンシーって何?という答えがはっきりしないまま専門知識を詰め込むような対策は大変非効率!この記事を読んでコンピテンシーについて理解を深めて効率的学習を進めて下さい。

コンピテンシーとは、技術士に求められる「資質能力」ですので、ここを理解していないといくら優秀な方でも恐らく不合格です。
技術士試験は、この「コンピテンシーの理解を正しくしたうえで、論文や面接にコンピテンシーをいかに散りばめるか」を試す試験と言っても過言ではありません。
コンピテンシーは技術士法で直接規定されているものではないので二次的な試験対策情報となりますが、

  • 受験案内にも明記されていている
  • 文部科学省の科学技術・学術審議会 技術士分科会で審議・決定されている

ことなどから、大変重要な位置にあることは言うまでもありません。

https://www.engineer.or.jp/contents/attach/competency.pdf

そんな技術士のコンピテンシーは令和5年1月25日に改訂されています。
令和7年(2025年)からはこの改訂されたコンピテンシーは基本的に、

  • 国際エンジニアリング連合(IEA)が定める「終了生としての知識・能力(GA: Graduate Attribute)」
  • 専門職としてのコンピテンシー(PC: Professional Competencies)」

に準拠することが求められています。

技術士制度において、IEAのGAやPCを踏まえた技術士試験およびCPD(継続研鑽)の制度改革に繋がることが高確率で予想されます。
日本の技術士制度も国際標準に見合ったものとなるよう日夜進化が求められていますので、技術士試験の受験者もIEAの動きと文部科学省の動きにをキャッチしておくことをお勧めします!

旧コンピテンシー

まずは、2023年1月25日以前の旧コンピテンシーをざっとおさらいしましょう。
コンピテンシーは、「専門的学識」「問題解決」「マネジメント」「評価」「コミュニケーション」「リーダーシップ」「技術者倫理」「継続研さん」の8つあります。

専門的学識

  • 技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
  • 技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。

問題解決

  • 業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
  • 複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。

マネジメント

  • 業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

評価

  • 業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。

コミュニケーション

  • 業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
  • 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

リーダーシップ

  • 業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
  • 海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。

技術者倫理

  • 業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。
  • 業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
  • 業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。

継続研さん

  • 業務遂行上必要な知見を深め、技術を修得し資質向上を図るように、十分な継続研さん(CPD)を行うこと。

以上となります。
このように、コンピテンシーは文章として起こすと非常に長く、すんなり飲み込むには苦労する表現です。
ただ、実際のところコンパクトに要点を押さえればとても平易に捉えることができます。
例えば、
「マネジメント」=「PDCA + QCD +リソース配分」
といった具合です。
旧コンピテンシーの解釈の仕方及びそれを踏まえた技術士試験二次試験対策については下記に詳細を解説しています。

【技術士】二次試験 「コンピテンシー」を理解しさらに勝率を上げよう
技術士二次試験は、コンピテンシー(資質能力)が試される試験と言い切ってしまってもいいです。で、そのコンピテンシーって何?という答えがはっきりしないまま専門知識を詰め込むような対策は大変非効率!この記事を読んでコンピテンシーについて理解を深めて効率的学習を進めて下さい。

新コンピテンシー

次に、新コンピテンシーについて。
項目が8つあり、各々の名称は変わっていませんが、項目によってはその内容が微妙に変更されいています。
まずはざっと内容を確認しましょう。

専門的学識

  • 技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
  • 技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。
  •  ※専門的学識は内容につき変更なし

問題解決

  • 業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、必要に応じてデータ・情報技術を活用して定義し、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
  • 複合的な問題に関して、多角的な視点を考慮し、ステークホルダーの意見を取り入れながら相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。
  •  ※問題抽出の工程で「データおよび情報技術の活用」が追加
     ※解決策提示の工程で「多角的な視点の考慮」および「ステークホルダーの意見の取り入れ」が追加

マネジメント

  • 業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
  •  ※マネジメントは内容につき変更なし

評価

  • 業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。
  •  ※評価は内容につき変更なし

コミュニケーション

  • 業務履行上、情報技術を活用し、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ包摂的な意思疎通を図り、協働すること。
  • 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
  •  ※業務履行上の工程で「情報技術の活用」の追加、「効果的⇒包括的」な意思疎通の変更、および「協働」の言葉の追加
     ※海外業務について「一定の語学力」が追加

リーダーシップ

  • 業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
  • 海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
  •  ※リーダーシップの内容につき変更なし

技術者倫理

  • 業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、経済及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代にわたる社会の持続可能な成果の達成を目指し、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。
  • 業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守し、文化的価値を尊重すること。
  • 業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。
  •  ※2つ目の・で「文化的価値の尊重」が追加

継続研さん

  • CPD活動を行い、コンピテンシーを維持・向上させ,新しい技術とともに絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する能力を高めること。
  •  ※「新しい技術とともに絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する」が追加

新旧比較

新旧のコンピテンシーを比較した場合の変更点のみ抜き出すと以下の通りです。
専門的学識

  • 変更なし

問題解決

  • 問題抽出の工程で「データおよび情報技術の活用」が追加
  • 解決策提示の工程で「多角的な視点の考慮」および「ステークホルダーの意見の取り入れ」が追加

マネジメント

  • 変更なし

評価

  • 変更なし

コミュニケーション

  • 業務履行上の工程で「情報技術の活用」の追加、「効果的⇒包括的」な意思疎通の変更、および「協働」の言葉の追加
  • 海外業務について「一定の語学力」が追加

リーダーシップ

  • 変更なし

技術者倫理

  • 2つ目の・で「文化的価値の尊重」が追加

継続研さん

  • 「新しい技術とともに絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する」が追加

となります。
よって、8つのコンピテンシーのうち4つは変更なし、残り4つは変更あり、という結果。
とは言え、総じて「大きくは変わっていない」印象です。
ただ、変更点には共通するところがあります
問題解決やコミュニケーションといった業務に直結するスキルにおいて「情報技術の活用」「多面性や包括性」が共通しています。
技術者倫理では、「文化的価値」という工業や技術といった側面からは後回しにされがちな視点が盛り込まれています。
継続研さんは、単に研鑽を続けて能力を維持向上させるだけでなく「変化する仕事の性質に適応」という実践的な視点が盛り込まれているのが特徴です。

総じて大きな変更はないものの、あえてこれらの文言が追加されていることには、文部科学省として当然意図があるはずです。
そこをどう汲み取って技術士試験に反映させるかをのポイントを押さえることが重要です!

試験対策におけるポイント

繰り返しになりますが、「総じて大きな変更はない」ことから、ベースの対策は全く変わりません
つまり、旧コンピテンシーを意識した対策で問題ありません。
旧コンピテンシーを意識した対策については、こちらの記事で解説しています。

【技術士】二次試験 「コンピテンシー」を理解しさらに勝率を上げよう
技術士二次試験は、コンピテンシー(資質能力)が試される試験と言い切ってしまってもいいです。で、そのコンピテンシーって何?という答えがはっきりしないまま専門知識を詰め込むような対策は大変非効率!この記事を読んでコンピテンシーについて理解を深めて効率的学習を進めて下さい。

旧コンピテンシー対策がベースにはなりますが、やはり“+アルファ”があるとさらに合格可能性がグッと増します
せっかく新コンピテンシーで何が追加・変更されたかを理解した皆さん。
それらを踏まえたうえで、技術士試験二次試験における論文試験及び面接試験に反映させましょう!

いずれも“時代の流れ、社会課題”を背景にしていることがつかめると、文部科学省側がなぜコンピテンシーの改訂を行ったか、その意図が見えてきます。
変更があった項目ごとにポイントを解説します。

問題解決

  • 問題抽出の工程で「データおよび情報技術の活用」が追加
  • 解決策提示の工程で「多角的な視点の考慮」および「ステークホルダーの意見の取り入れ」が追加

となっております。
まず、前記事の復習になりますが、コンピテンシー「問題解決」は

  1. 問題抽出能力及び課題設定能力
  2. 解決策の提案力

の2つに分解して考えると分かりやすいです。
上記を踏まえたうえでポイントを押さえましょう。

☑データおよび情報技術の活用
この追加内容は特に、問題抽出・課題設定のフェーズで重要となります。
問題抽出及び課題設定については、旧コンピテンシーまでのように単に調査・抽出・分析するだけでなく、「データおよび情報技術の活用」の視点を加えるとより高得点が期待できます。
情報化社会の進展、ビックデータを活用したAIの急速な発展、エビデンスベースの説明が求められる風潮の強まりなどを反映しての追加文言と考えられます。
ビックデータ、生成系AI、EBPM(Evidence Based Policy Making)などキーワードを盛り込み、意識しながら解答するといいでしょう。

☑多角的な視点の考慮
この追加内容は特に、解決策定時のフェーズで重要となります。
ある問題・課題に対して一方向からの解決策の提示にならないように、といった配慮が必要です。
例えば、環境負荷やコスト面ばかり気にかけて性能や生産性が疎かになっては良いもの、良いサービスは提供できません。
そこでオススメなのが、「PQCDSEM」といった具合に多角的な視点の型を自分なりに持つこと。
 ※PQCDSEM: Productivity(生産性), Quality(品質), Cost(コスト), Delivery(納期), Safety(安全性), Environment(環境), Moral(志気)
です。

コミュニケーション

  • 業務履行上、情報技術を活用し、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ包摂的な意思疎通を図り、協働すること。
  • 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
    となっております。

まず、コミュニケーションについてその内容は

  1. 情報技術を活用した関係者と明確かつ包括的な意思疎通による協働
  2. 海外業務では、語学力・意思疎通・多様性の理解による協調

の2つに分解して理解すると分かりやすいです。

☑情報技術の活用
「問題解決」でも出てきた情報技術の活用がコミュニケーションでも出てきました。
これは、時代の流れそのものですね。
コロナ禍を経験したこともあるのか、DXの推進も相まってか、情報技術の活用はあらゆるスキルで必須となります。
“コミュニケーション”に特化してキーワードとなるのがweb会議、SNS、チャット、ノーコードのソフト開発などが挙げられるでしょう。
口頭・文書等といったコミュニケーションツールと求められる要素の基本は変わりませんが、使用するツールによって気遣い方、相手への配慮などは変わってきます。
例えば、web会議であれば通信状況の確認(コネクションチェック)、ファシリテート技術、リアクションマナー、アンケート調査法など独自の手法やスキルがあります。
そういったことも加味した「情報技術の活用」を意識してコンピテンシーを理解しましょう。

☑効果的→包括的
旧コンピテンシーでは「効果的」に意思疎通を~、新コンピテンシーでは「包括的に」意思疎通を~、に変更されています。
各々意味を確認すると、(by コトバンク)

  • 効果的:効果のあるさま。 目的とするききめの現われるさま。
  • 包括的:全体をつつみこんでいるさま。総括的。総合的。

となっています。
包括的の方が”全体を包み込む、総合的に”ということで、幅広いステークホルダー、多様なコミュニケーション手段を想定していることがうかがえます。
この意図は、ダイバーシティ人材の活用やデジタル化・DX化に伴う通信手段の多様性にあると考えられます。
リアル対面でのコミュニケーションだけではない、総合的なコミュニケーションスキルを求めていることが「包括的」には込められていることを汲み取るとよいでしょう。

☑語学力
「語学力」が明文化されたことは少し驚きでもあり、必然でもあるでしょう。
語学力そのものを問う試験はTOIECや英検など様々ありますので、そちらに譲ってもよさそうなものです。
ただやはりそうは言っていられない、グローバル化の流れの中で技術士という資格が国際通用性を獲得する上で、「語学力」の文言は外せない、そのように捉えられます。
自社製品の市場の海外展開、海外の業者との取引、外国人材の活用など中小企業であっても一般的となっている時代です。
日本は人口減少が加速する中、日本市場の縮小は避けられず、海外との積極的なお付き合い、外国人材の受け入れは必至の未来がもうすでにそこにきています。
いつまでも通訳を介したり、外国人に日本語を覚えてもらうスタンスでは我々も取り残されてしまいます。
国際通用性を認められた技術士であるため「語学力」は外せない文言となったと理解するといいでしょう。

技術者倫理

技術者倫理は3つの項目に分かれています。
そのうち、1つ目と3つ目の項目には文言に変更がなく、2つ目の項目に「文化的価値の尊重」が追加されています。
では、文化的価値の意味を確認しましょう。

  • 文化的価値:資料としての価値。社会的な価値。金銭的価値などに対して用いられることが多い(by weblio辞書)
  • 文化価値 :文化財としての価値。また、文化の面から人間社会をより豊かなものとする価値(by コトバンク)

正直言ってつかみどころのない表現ではあります。
ただ、なんとなく言わんとしていることはわかるのではないでしょうか。

☑文化的価値
法制度、経済性、技術面、一見して分かりやすい価値とは異なる、歴史、そこに住む人の伝統や思想、そういった文化的側面にも配慮することが求められていると考えられます。
モノやコトの価値は一辺倒で評価できるものではありません。
「ところ変われば品変わる」「郷に入っては郷に従え」といった諺が表すように、多様な価値観で柔軟に価値基準を持つ姿勢の重要性を示しています。
これもやはり、”多様性”、”ダイバーシティ”といった時代の流れに則した変更と考えるとよいでしょう。

継続研さん

継続研さんは他のコンピテンシーは比較的シンプルな内容の資質能力で、要は「技術士になった後も努力し続けなさい」というメッセージが込められていることは、新旧変わらずといったところです。
旧コンピテンシーでは、「資質向上を図るよう継続研さんを行うこと」とシンプルに謳われていました。
一方、新コンピンテンシーでは「新しい技術とともに絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する」がわざわざ書き加えられています。
そのポイントを2つに分けて考えてみましょう。

  • 新しい技術
  • 絶えず変化しつつづける仕事の性質

なぜ、このような追記がなされたのでしょう。

☑新しい技術
ものづくり産業において、新しい技術に関する情報のキャッチアップや習得が必須であることは今も昔も変わりません。
ただ、デジタル化、DX化、スマート化、環境負荷低減などの流れの中でAI, IoT, ロボティクスといった最新技術に対する敷居がってきていること、裏を返せばそれらを有効に活用しないと時代の流れに取り残されることを反映していることは間違いありません。
中小企業といえども、下請けの加工や処理のみ取引先から言われた通りこなしているだけでは仕事がなくなってしまいます。
従来のコアな加工や処理に加えて、製品やプロセスの設計、コア技術の独自性の追求、検査を含めた品質保証、これらの工程にデジタル化、DX化、自動化の要素が多分に含まれています。
大手企業はもちろん、下請けの加工業者がその枠にとらわれず、最新技術を取り込んでいく姿勢が今後ますます重要であることが「新しい技術」に込められています。

☑絶えず変化し続ける仕事の性質
仕事の性質を決定づけるものは技術的側面に限りません。
労働人口減少、高齢および外国人材の活用、省人化や働き方改革に見合った雇用制度の見直し、労働安全衛生規制の強化、それらの様々な社会・経済的要因にも我々の仕事の環境は左右され変化を求められ続けております。
一度決めたことを固定化せず、柔軟かつ恒常的に変化し続ける姿勢、それを仕事に応用し続ける姿勢の要求が「絶えず変化し続ける仕事の性質」に込められています。
幅広い知識と情報をキャッチアップしていく継続研さんを意識するとよいでしょう。

まとめ:技術士試験対策における新旧コンピテンシーを活かすカギ

本記事では、技術士試験の重要ポイントである「コンピテンシー」の新旧比較を中心に、試験対策に必要な視点を整理しました。

総じて大きな変更はないものの、追加された内容は、時代の流れを反映した重要なヒントを示しています。

  • データおよび情報技術の活用
  • AIやビッグデータなどの最新技術を用いた問題解決が求められる時代。これらを具体的に活用する提案は高評価に繋がります。

  • 多角的な視点と包括的な意思疎通
  • 多様なステークホルダーや価値観を考慮した提案が重視されることから、「PQCDSEM」など多面的なアプローチを活用することが有効です。

  • 文化的価値と持続可能性の尊重
  • 技術者としての社会的責任を意識し、倫理的な視点を盛り込んだ論述や口頭試験での回答がポイントです。

これらのポイントを踏まえ、新しいコンピテンシーの改訂意図を汲み取り、試験対策に反映させることで、確実に合格への道を切り開くことができます。

試験対策の要点を押さえて、効率的に取り組みましょう! 試験準備に不安がある方は、こちらの関連記事や参考資料もご活用ください。

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