【技術士】二次試験 筆記試験で役立つキーワード集の作り方

技術士試験【全部門】
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はじめに|キーワード学習の重要性


技術士試験二次試験の筆記試験対策としてはキーワード集の作成は欠かせません。
筆記試験対策としてまず、キーワード集から手を付ける人も多いのではないでしょうか。

キーワード集を作ることは完全にインプット作業ですし、難しいことではないでしょう。
キーワード集作成から始めることは悪くはありませんが、ある程度キーワード集を作成したら、論文を記述する練習も並行して行いましょう
なぜなら、キーワード集作成に終わりはないからです。
もちろん、ある程度キーワード集を作成したら知識が飽和状態になり終わりが見えてきそうなものです。

しかし実際はどんどん新しい技術や言葉が出てきたり、特定の分野で知識をがっちり固めたると、他の分野に手を出したくなったりなど、終わりが見えなくなってしまいます。
それ自体が悪いわけではありませんし、知識欲とは素晴らしいものです。

ですが、技術士二次試験対策においては知識一辺倒では大変非効率であり、下手をすると合格からは遠ざかってしまいます。
ですので、「必要な知識量にはまだまだ到達していない」という感覚を覚える程度から実際に書く練習を進め、またキーワードの補充に戻ったりを繰り返すことが合格への近道です。

このように、あえて別の勉強を挟み込む「インターリービング」や忘れた頃に復習する「分散学習」は科学的にも効果が認められる学習法をうまく取り入れながらキーワード集作成をすすめましょう。

ノートの準備


まず、キーワード集用のノートを準備します。
いや、ノートではなくPCで作りたい、という方はそれでも構いません。
MicrosoftのWordやPower Point、その他好んで使っているソフトがあればそれもいいでしょう。
下記の記事でも紹介しましたが、私は「コクヨのB5版ソフトリングノート」を好んで使って手書きで作りました。

【技術士】二次試験 筆記試験対策の進め方|簡単5Step!
専門書や学会誌などを読んで専門知識を詰め込むのは実は間違っていた!?簡単5Stepで進めていく技術士二次試験対策方法を伝授します!学習の進め方とその順番(優先順位)がとても大事です。

そのノートがこちら

このノートを選んだ理由は以下の通り。

  • 本番は手書きなので、文字や図表を手書きする練習になる
    ※字を丁寧に書く習慣、手書き用の筋肉を鍛える、漢字を忘れない、などは手書きでしか身に付きません
  • B5版は大きすぎず持ち運びにも便利、小さすぎず書きやすい
  • リングはページの綴じ代が擦り切れにくい
  • ソフトリングはページの端っこまで書いても手が痛くない

こんな感じです。
皆さんもお好みのノートやアプリに愛着を持って使うとモチベーションがアップしますよ。

基本的に「1キーワード1ページ」と決めてください。
1つのキーワードに決まった文量でまとめる癖をつけておくと、筆記試験の特に選択科目Ⅱ-1で活きてきます。
過不足なく要点をまとめるということが、技術士二次試験においては重要ですので、その辺りを意識しながら作成しましょう。

キーワードの項目とまとめ方


それでは具体的に、キーワード集を作成する際の項目について触れていきます。
キーワードは以下の項目でまとめましょう。

1)キーワード名
2)開発された時期・背景
3)原理と特徴
4)問題点
5)解決策
6)応用例
7)今後の展望

このような感じです。

上記のうち、
3)原理と特徴 及び、
6)応用例
選択科目Ⅱー1を、

2)開発された時期・背景、
4)問題点、
5)解決策 及び
7)今後の展望
必須科目Ⅰ及び選択科目Ⅲを意識した項目です。

つまり、キーワード集の作成だけでも、筆記試験全般に必要な知識をカバーできるように構成された優れモノです。

例えば、B5版で36行のノートに書く場合、平均して6~7行くらい(キーワード名除く)書くと1ページ埋まるイメージです。
図表を加えれば、さらに文字数が減りますし、文章でまとめずらい項目は箇条書きでも構いません。

普段の業務などでは、その技術の原理や活用方法についてはよく勉強すると思います。
この機会に、+αとして技術が開発された時期・背景も調べておくと視野が広がりますよ。

選択科目Ⅱー1のみならず、Ⅱー2や3枚問題(必須科目Ⅰ、選択科目Ⅲ)の解決策や対策などで提案する技術に関するキーワードとしても使えます。

日進月歩の技術を取り扱う技術士として、提案する策が時代錯誤にならないためにも時代背景を押さえておくことは重要です。

また、万能な策というものは基本的にはありません。
メリット、利点ばかりでなく弱点、問題点も意識しておくことが大事です。
そういった視点が、3枚問題の問題抽出にも生かされます。

そして、問題点を押さえた以上は、その解決策もセットでまとめておきましょう
問題点+解決策という視点は問題解決能力や評価能力というコンピテンシーにもつながります。
応用例や今後の展望などは直接問われなくても、知識問題である選択問題Ⅱー1などで文末に書き添えるなどすることで、本番での文量調整に使えるばかりでなく専門的学識のアピールにもなりますのでセットでまとめておきましょう。

キーワードのまとめ方の例


金属加工を例に簡単にキーワードのまとめ方を示します。

1)キーワード名

  • HIP(Hot Isostatic Pressinng, 熱間等方圧縮成形)

2)開発された時期、背景

  • 1970年代
  • この技術により粉末焼結体の高密度化が図られ、特性が飛躍的に向上
  • 特に、超硬合金を用いた切削工具や成型用金型の長寿命化に大きく貢献

3)原理と特徴

  • 粉末材料の加圧焼結を行う
  • 粉末材料を軟鋼やステンレス鋼のカプセルに詰めて脱気密閉
  • 圧媒ガス中での温度、圧力の調整
  • 耐圧容器内に圧媒ガスを導入し、圧縮成形と粉末焼結を同時に行う
  • 異種材料の拡散接合にも有効
  • 圧力がかかるため、内部欠陥の除去効果もある

4)問題点

  • 製造装置が高価
  • 処理時間が長い
  • 高エネルギー消費

5)解決策

  • 温度-圧力条件の最適化、材料開発などにより短時間処理、低エネルギーでの加工方法の検討
  • 難加工材への適応、長寿命化、レアメタル削減などの高付加価値化し、高級な切削工具・金型としての販路開拓

6)応用例

  • 超硬合金切削工具
  • 射出成型用金型
  • 粉末成型用金型

7)今後の展望

  • ロールダイス等の塑性加工用超硬合金へ応用し、残留気孔(欠陥)の少ない金型作製により被加工材の歩留まり向上や金型の長寿命化に期待

以上です。
簡易に書いておりますので、実際はもう少し膨らましてもいいでしょうし、図なども挿入するとよりいいでしょう。
こんな要領でキーワード集を作っていってください。

キーワード集ってどれくらい作ったらいいの?


どれくらいの量を作るかですが、よく「100キーワードを目指しましょう」なんていうことを聞いたりします。
ですが、そんなには必要ないかなと思います。

結果的に100くらいになりました、というのは素晴らしいと思いますが、いきなり目指さなくて全く問題ありません。

とりあえず、5~10くらいを目指す感じで大丈夫です。

キーワード集作りは技術士二次試験の筆記試験対策のうちの一部でしかありません。
実際に論文を書いて、添削を受けたり自己修正したりという練習をしないと本番につながる実力は身に付かないので、キーワード集作成にそんなに時間は割くのはかえって非効率です。

上記を踏まえたうえで以下のようなステップでキーワード集作成をすすめるといいでしょう。

キーワード集作成のステップ


いきなり学習したいキーワードを決めて早速キーワード集を作り始めるのもいいですが、どうせなら短期合格を意識して効率的に進めたいですよね。
そこで、キーワード作成にオススメしたStepがあります。

キーワード作成は、以下の6ステップで進めていきます。

【6Stepキーワード集作成法】
Step1.選択科目の決定
Step2.選択科目Ⅱ-1の頻出分野の分析
Step3.得意分野の設定
Step4.得意分野からキーワード抽出
Step5.キーワード集作成
Step6.キーワード抽出範囲の拡張

それでは、各Stepについて解説していきます

Step1.選択科目の決定
皆さん、ご自身の専門があり、その専門に沿った技術部門での受験をされると思います。
各技術部門にどのような選択科目があるか確認したい人はこちらをチェック

技術士第二次試験の科目 |公益社団法人 日本技術士会
技術士第二次試験の科目

キーワード集作成に限らず、技術士二次試験受験に当たっての基本ですが、「選択科目の決定」が重要となります。
例えば、金属部門であれば

  • 金属材料・生産システム
  • 表面技術
  • 金属加工

の3つのうちから選ぶことになります。

技術士二次試験は問われるコンピテンシーが8つあり、総合的な知識やスキルを身に付けなくてはなりません。
そのうち専門的学識はコンピテンシーの1つでしかありません。

学習範囲を限定し、効率的に学習を進めるためにも選択科目は早い段階で決めてしまいましょう

その際、基準としていただきたいのが「過去5年分程度の過去問」です。
日本技術士会HPに過去問が掲載されています。

過去問題(第二次試験)|公益社団法人 日本技術士会

ご自身が受験する部門の過去問をベースに、「これならいける」と一番思える選択科目を選んでください

Step2.選択科目Ⅱ-1の頻出分野の分析
キーワード集の作成は技術士二次試験の筆記試験全般に対して有効な学習ツールとなります。
ですが、基本は知識問題である選択科目Ⅱ-1を意識してキーワード集作成を進めていくことをオススメします。

選択科目Ⅱ-1を意識したキーワード学習を進めるにあたって、まずは頻出分野の分析を行いましょう。
分析を行うにあたって、ぜひ作成してほしいのが出題傾向のマトリックス表です。

例えば金属部門の金属加工を選択するとした場合、下記のような表が作成できます。

この表の作成により過去数年の出題傾向が掴め、選択科目な中でも特にどの分野に注力してキーワードを作成すると効果的かが見て取れます。
特に選択科目Ⅱ-1に特化した対策方法としてはこちらの記事にまとめていますので参考にしてください。

【技術士】二次試験 筆記試験の選択科目Ⅱ-1(1枚問題)の対策
選択科目Ⅱ-1は知識問題です。論理展開するような要素があまりないため対策は立てやすい反面、知識重視なため知らないと全く論文が書けないという事態に!そうならないよう効果的かつ効率的対策方法を解説します。

Step3.得意分野の設定
上記の記事でも解説していますが、選択科目Ⅱ-1は概ね4問から1問選択すればOKです。
ですので、選択科目全般について対策する必要はありません。
一方で、重点的に学習する分野を1つに絞るのは結構危険です!
なぜなら、上記の表を見て分かる通り、得意分野が毎年出題される保証はないからです。
さらに付け加えると問われ方も重要です。

「この分野はかなり勉強したんだけど、その問われ方は想定外だった」

ということはよくあります。

“手広く勉強しすぎて効率が下がるリスク”と、
逆に”絞りすぎて勉強したところが出題されないリスク”

その両方を最小化するため、
選択科目の中で重点分野を2つ
に絞ってキーワード集を作成することをオススメします!

少なくとも2つ得意分野を決めて対策しておけば、ほとんどの確率で2つのうちどちらかは出題されます。
2つとも主題されればラッキー!
問題の内容から、より高得点が取れそうな方を選びましょう。

ちなみに私は、金属部門の専門科目「金属加工」を選択科目として選択しました。
そのため鋳造、溶接、塑性加工、粉末冶金、熱処理などの分野から出題があることになります。
過去の出題傾向などから、「鋳造」と「溶接」の2つの分野を得意分野として重点的に対策しました。
結果、どちらも出題がありましたが、より得点が狙えそうな溶接を選ぶことができました。

Step.4 得意分野からキーワード抽出
キーワードを抽出すると言っても、なかなかどこから手を付けていいのか分かりませんよね。
やみくもに専門書などを引っ張り出し片っ端から、というのは大変非効率です。
ヒントというより、答えは過去問にあります。

例えば、選択科目を金属加工とした場合、「鋳造」であれば”球状黒鉛鋳鉄”、「溶接」であれば”低温割れ”などが抽出されます。

過去5年分程度の問題を分析してキーワードを抽出しましょう。
過去5年分のキーワードを粗方まとめきり、まだ余力があったら次の事をやってください。

  • さらに過去にさかのぼってキーワード探索(縦展開)
  • 抽出したキーワードから関連するキーワードを増やしていく(横展開)

さらに過去にさかのぼる縦展開はそのままですので分かりやすいですね。
要は、より多くの過去問を見ればいいわけです。

関連するキーワードを増やしていく横展開は、同じカテゴリに分類されるワードを調査するということです。
例えば、

  • 球状黒鉛鋳鉄 → 片状黒鉛鋳鉄、白鋳鉄、可鍛鋳鉄、製造方法、検査方法、強化方法etc.
  • 低温割れ → 高温割れ、割れやすい材料、割れ防止法、検査方法、代替技術etc.

のように、関連するキーワードを近いところからどんどん周辺の離れた領域まで広げていくイメージで関連させていくとどこまでも増やせると思います。

増やしすぎると当然非効率に陥りますので、選択した技術分野から逸脱の無い範囲でほどほどにとどめてくださいね。

Step5.キーワード集作成|まずは5~10ワード程度から
ここでいよいよキーワード集作成です。
キーワードのまとめ方の章で解説した通り、キーワードをまとめるにあたってそれなりに調べる作業や手書きしたり入力したりといった作業が発生します。
あまり重要でないキーワードをまとめるのに時間を割きたくはありませんよね。
Step1~Step4の手順をしっかり踏むことで、そのような時間や労力の無駄を防げます

意味のあるフィルタリングをしっかりかけて抽出したキーワードには価値があります。
その価値あるワードをまずは5~10ワード程度、まとめてみましょう。

その際、情報ソースとして

  • 専門書(学生時代や業務で使用している使い慣れたものでOK)
  • 学協会誌
  • インターネット(論文、メーカーHP、ブログetc.)

などなど、なんでもOK。
ですが、キーワード集作成に当たっては出典も一緒にメモしておきましょう。
特にインターネットの情報は玉石混交としております。
後から信ぴょう性を確認する際に、出典のメモは大切です。

Step6.キーワード抽出範囲の拡張
知識問題である選択科目Ⅱ-1を意識したキーワード集作成にある程度慣れてきたら、今度は抽出範囲を広げて再抽出します。
選択科目Ⅱ-2、必須科目Ⅰ、必須科目Ⅲに登場するようなキーワードへと拡張していきます。
選択科目Ⅱ-1はあくまで、皆さんの専門に特化した知識問題です。

一方、必須科目Ⅰや選択科目Ⅲでは、科学技術全般・時事問題など広範な知識を持っていることを前提として出題されます。
こちらも過去問をベースにキーワードを拾っていきましょう。

例えば、

  • デジタル技術(AI・IoT・ロボティクス・5G・DX(デジタルトランスフォーメーション)、デジタルツイン、VR(Virtual Reality、AR(Augumented Reality)etc.)
  • 工業会全般(Industry4.0、Society5.0、エンジニアリングチェーン、ERP(Enterprise Resource Plannning)、etc.)
  • 社会問題(労働人口減少、技能伝承、省力化・自動化、社会の付加実性(パンデミック、貿易摩擦、地球温暖化))
  • 環境問題(地球温暖化、温室効果ガス、リサイクル、資源問題、レアメタル、マイクロプラスチック、カーボンニュートラル、パリ協定、COP26、etc)

などなど。
このように拡張の幅は広げられます。
いやー「技術士試験対策って本当に大変(T_T)」
なんて思ってしまいますが、大丈夫です!

上記の関連ワード全てにおいて完璧な知識を持ち合わせている必要はありません。
ご自身の専門分野とどのようなかかわりを持っているかを意識しながらかいつまむようにまとめていくと自然と理解が深まります。

それに、よく聞くキーワードや何となく目にするキーワードかと思いますが、技術士の試験対策でもしないと本気で調べることってないと思います。
これを機に、この拡張された関連キーワードを一通り勉強しておくと、技術者としての素養がが一気に格上げされます。
楽しみながら学習しましょう。

このような感じで気付くとどんどん増えていくと思います。
ですので、いきなり100キーワードを目指すなどということはせず、論文作成練習や過去に作成したキーワード集の復習などと行ったり来たりしながら量に拘らず進めましょう。
試験間近になって20キーワードしか作っていない、などということになっても焦る必要はありません。
要は、論文が書ければいいのです。
本番に携えておく、ちょっとしたお守りだと思ってキーワード集をつくりましょう。

まとめ

いかがでしょうか。
キーワードを学習することは、技術士試験に限らずあらゆる資格試験や勉強において基礎中の基礎といったところですよね。
それ故、これまでの自身の学習経験の中で培われたやり方がそれぞれにあるかと思います。

一方、そのやり方が効率的でなかったり、技術士二次試験に向いた方法ではないといったこともあるでしょう。
ここで今一度キーワード学習方法を見直し、効率的に最短で合格できる方法を身につけましょう。

さらっとおさらいします。

1.キーワード学習の重要性
知識なくして知恵も生まれません。
「知識は全てにおける源泉」と考え、効率的なキーワード学習を進めましょう。

2.ノートの準備
キーワード集作成においてノート選びは超重要。
手書きノートでも、PCアプリでもなんでもOKですが、ご自身に合ったツールを選びましょう。

3.キーワードの項目とまとめ方
1)キーワード名
2)開発された時期・背景
3)原理と特徴
4)問題点
5)解決策
6)応用例
7)今後の展望

に沿ってまとめると知識問題である選択科目Ⅱ-1のみならず、問題解決能力が問われる必須科目Ⅰや選択科目Ⅲにそのまま応用できますよ。

4.キーワードのまとめ方の例
あくまで一例ですが、参考にしてください。

5.キーワード集ってどれくらい作ったらいいの?
量も大事ですがいきなり100ワードなんか目指さなくて大丈夫!
まずは、5~10ワード位を目安に徐々に拡張して増やしていきましょう。

6.キーワード集作成のステップ
Step1.選択科目の決定
Step2.選択科目Ⅱ-1の頻出分野の分析
Step3.得意分野の設定
Step4.得意分野からキーワード抽出
Step5.キーワード集作成
Step6.キーワード抽出範囲の拡張

の6Stepに沿ってまとめていきましょう。

以上、まとめでした。

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