【技術士】二次試験 口頭試験の合格率・審査内容・留意点

技術士試験【全部門】
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口頭試験は9割合格する


技術士二次試験における口頭試験は筆記試験を合格した人のみが受験できる試験で、技術士試験の最後の試験です。
一次試験から受験し、修習技術者や技術士補を経て実務経験を積み、ようやく二次試験受験のチャンスが与えられます。
JABEE認定で一次試験を免除した人であれば、ある意味学生のころから受験勉強をしてきています。
そして血のにじむような筆記試験対策を経て、筆記試験に合格した人だけが受けられるのがこの口頭試験です。

職場の同僚や友人から、
「どうせ受かりっこない」
「そこまでやって仮に合格してもなんかメリットがあるのか」
などやっかみを受けたこともあるでしょう。
あるいは、そう言われるのが嫌で周囲に相談せず、一人悶々と孤独と闘いながら勉強した人もいるでしょう(私はこのタイプで、家族とごく一部の気の許せる人にしか話していませんでした)

また、受験勉強には多くの時間を要します。
家族の協力が得られたものの、家事育児に割ける時間が減り罪悪感に苛まれながら勉強時間を確保したことでしょう。
セミナーの受講や添削指導など身銭を切って行った自己投資も沢山したでしょう。

また、過去に何度もチャンレンジして不合格の悔しさから心が折れそうになったこともあるでしょう。

多くの人がそうやって、技術士二次試験の筆記試験合格を掴み取ります。
達成感や安堵感はかなり感慨深いものです。
残るは口頭試験だけ、しかも9割は受かる。
ここまでやった自分ならまぁ大丈夫だろう。
油断する気持ちは大変よく分かります。
もちろん、休んでいいです。
筆記試験が終わったら大いに休みましょう。

でも、やはり油断は禁物です。
何故なら、9割合格する、つまり1割は落ちるからです。

もちろん、技術部門によって合格率にバラツキはあります。
でも過去の統計を見る限り毎年必ず100%合格する部門はありません。
統計上、おしなべて見ると「1割は”必ず”落ちる」。
数々の関門を潜り抜けた優秀なの技術者・研究者の方でも、その中から1割は必ず不合格なのです。

これまでの努力を無駄にしないために、
口頭試験が終わって「ありがとうございました」の一言とおじぎをして口頭試験の試験室を退室するその瞬間まで、
油断せずに駆け抜けましょう。

口頭試験で問われるコンピテンシーと配点


受験案内を参考に、下記に口頭試験で問われるコンピテンシーと配点を示します。

  1. 技術士としての実務能力
  2. ①コミュニケーション、リーダーシップ [30点]
    ②評価、マネジメント [30点]

  3. 技術士としての適格性
  4. ③技術者倫理 [20点]
    ④継続研鑽 [20点]

上記のコンピテンシーについて、合計100点満点で評価されます。
試問時間は20分間です。
10分程度延長の場合もあり、と記載がありますがそこに期待せず、20分間しかないということで準備しておきましょう。

合格基準は①、②、③、④それぞれ60%です。
合計ではなく、①、②、③、④、各項目が全て60%を超えていないと不合格です。
苦手分野を作らず、満遍なく対策しておくことが必要です。

口頭試験全体を通しての留意点


具体的な質問対策に入る前に、口頭試験において気を付けるべき留意点について押さえておきましょう。

端的に答える

「試験」であるとうことを意識するあまり、質問に対してなるべく”正確に”、”間違わないように”と硬くなってしまいます。
そうなると、どうしても説明に”冗長的”、”回りくどい”、”同じ言葉を繰り返す”といった特徴が出始めます。
肩ひじ張らずにリラックスしてなるべく簡単に説明するよう心がけましょう。

ここでもPREP法が役に立ちます。
PREP法についてはこちらの記事でも紹介しましたので参考にしてください。

【技術士】二次試験 筆記試験で使える文章術|説得力・思考力・納得感を爆上げ!
論理的で分かりやすい文章には特徴や散りばめられた要素というものがあります。それらを理解することは文章作成スキルの底上げになることに留まらず、技術士二次試験の筆記試験対策に直結します!重要なポイントに絞って解説しますので是非この記事を参考にしてください。

PREP(Point(結論)→Reason(理由)→Example(例示)→Point(結論))でしたね。
理由や例などから説明されて、「結局何が言いたいの?」とイライラした経験は誰しもあるでしょう。

ですから、質問されたらまず真っ先に結論を言いましょう。
そうすれば、聞き手は「なんで?」と興味をそそられます。
そこですかさず理由を述べるのです。

ただ、例示や補足説明を加えるかは、ちょっと待ってください。
ここでは口頭試験の対策として紹介しています。
聞いてもいないことを先回りして一方的に話されると相手は疲れてしまいますし、そもそも口頭試験には時間がありません

試験官の顔色を窺い、リアクションをよく観察して必要と感じたら例示して補足するなど臨機応変さが必要です。
回答として”必須な部分”と”+αの部分”を意識しながら端的に過不足のないよう意識しましょう。

分からないことは「分かりません」と素直に答える

何度も言いますが、口頭試験はとにかく時間がありません。
「えー、あー」と考えている時間は全くコンピテンシーを伝える要素が入っておらず完全に無駄な時間です。
面接官はいくつか質問を用意してくださっています。
分からないことに無駄な時間を費やす暇があれば、いくらかでも回答できる質問に切り替えた方が勝率は上がります。

とはいえ、基本的には意地悪問題のような敢えて分からないようなこと質問されることはあまりないとは思います。
ですが、例えば筆記試験で記述した内容のフォローなどを求められるなど、技術的に深堀されるような質問があったりします。

そのような場合、分かる場合は自信を持って答えるべきですが、分からないこともあるでしょう。
ですが、分からない場合は「分かりません」と早い段階で答えましょう

その際、ただ「分からない」とだけ言うと、ぶっきらぼうな印象で誠実さが感じられません。
必ず「今は知見がなくお答えできません。持ち帰って調べます。」と前向きな言葉を添えましょう。

まさに「継続研鑽」の姿勢です。
分からないというのは、マイナス評価という思い込みから知識不足を認めるのには抵抗があるのは非常にうなずけます。
しかし、そこですかさず継続研鑽の姿勢で切り返すことでむしろプラスの印象に転換できることに加えて時間節約というおまけ付きです。
素直さと誠実さで答えましょう。

一問一答ではなく、”対話”であることを意識する

ここ、結構見落とされがちです。
私も口頭試験は試験というだけあって「問い」に対して「答える」、答え終わったら「はい、次の質問」そして「答える」の繰り返しのようなイメージでした。
でも実際はちょっと違います。
あくまで対話です。
1つ1つの問いには、「このコンピテンシーを測ろう」という意図があります。

返ってきた答えから十分なコンピテンシーの要素が感じ取れない場合、あるいは単に興味でということもあるでしょうが、深堀りをされます。
実際の日常会話でもそうでしょう。

チャットロボットのように、
「はい、答えはこれです。次の質問は?」
なんて会話はしないでしょう。

人間対人間の意図を持った対話であることを忘れないようにしましょう。
そのためには、相手の「表情」「頷き」「身振り」などをよく見る必要があります。
情報が不足していても評価はされませんが、一方的にしゃべりすぎるとより評価されにくくなります。
一問一答ではなく対話を意識しましょう。

議論せず謙虚な姿勢で

「議論?そんなことになるの?」
と思う方もいるでしょう。

いわゆる圧迫面接のような形で試験官の方がわざと煽るようなことをいうケースもなくはないようですが、そのようなケースは稀です。

ですが、図らずも議論のような形になることは大いにあり得ます

緊張のせいもあって余計なことを口走ってしまうことはどうしてもあります。
全ての質問が想定内というわけにはいきませんから、それ自体は致し方ありません。
完璧を目指すと余計に緊張するのでそれは避けましょう。
緊張により余計なことを口走ることすらも想定内に入れておきましょう。
余計なことを言ってしまった場合、面接官がそこを突っ込んでくることがあります。

実際、私もそうでした。
業務のマネジメントに関わる質問に対して、
「リソースとして時間配分は重要であるため、優先順位をしっかりつけて取り組むべき」
と言いたかったのですが、
「特定の案件ばかりに時間をかけすぎ、顧客に過剰サービスをしてはいけない」
といったニュアンスになってしました。
その際、試験官から「サービスはお客様に喜ばれますよね。サービスしてはいけないのですか」と突っ込まれてしまいました。
内心、「しまった!!」と思いましたが、
「たしかに、おっしゃる通りサービスはとても大切なことです」
と受け止めることでその場をしのぎました。

あの時、「議論してはいけない」ということを意識していなかったら何らかの言い訳というか、見苦しいフォローをした可能性が高いです。

何が火種になるかわかりません。
議論は避け、
「おっしゃる通りです」
「おっしゃる通り〇〇という観点も重要です。考え方として参考といたします。」
など、謙虚な姿勢で難局は切り抜けましょう。

まとめ

いかがでしょうか。
以上のように、口頭試験とはどういうものか、また口頭試験の留意点を押さえました。
要点を簡単におさらいしましょう。

  1. 口頭試験は9割合格する
  2. 口頭試験は9割の人が合格します。
    つまり、1割の人が不合格です。
    最後まで気を抜かずに駆け抜けましょう。

  3. 口頭試験で問われるコンピテンシーと配点
  4. 口頭試験では以下の6つのコンピテンシーが審査されます。

    ・コミュニケーション
    ・リーダーシップ
    ・評価
    ・マネジメント
    ・技術者倫理
    ・継続研鑽

    各質問には、いずれかのコンピテンシーを問う意図があることを意識して準備しましょう。

  5. 口頭試験全体を通しての留意点
  6.  3-1.端的に答える
       冗長的、回りくどい回答はNGです。
       結論を頭出しにしましょう。

     3-2.分からないことは「分かりません」と素直に答える
       口頭試験は時間が20分しかありません。
       時間を浪費したり、墓穴を掘らない為にも素直さが肝心です!

     3-3.一問一答ではなく、”対話”であることを意識する
       人間同士の血の通った対話であることを忘れないでください。
       肩ひじ張らずにリラックスして、相手の表情、声の調子、仕草を見ながら臨機応変に!

     3-4.議論せず謙虚な姿勢で
       意地悪質問は稀です!
       が、「おっしゃる通り」の謙虚な姿勢を忘れずに!

下の記事では想定問答や役に立つテクニックなどを紹介します。

【技術士】二次試験 口頭試験の想定問答集
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