【経営工学キーワード】活動基準原価計算(ABC)

経営工学
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はじめに

経営工学に関連したキーワードを学習していて気付いたことがあります。

「多面的な視点が養われ、汎用性がめちゃ高い!」
「技術士二次試験の経営工学部門に限らず、多くの部門に応用可能な知識や方法論が満載!」

ということで、技術士二次試験(経営工学部門)の対策をしている時にまとめてきたキーワード集をほとんどそのままご紹介!
本経営工学キーワードシリーズの記事の特徴として、ある1つのキーワードをについて

  1. キーワード名
  2. キーワードを取り巻く背景
  3. 原理と特徴
  4. 問題点
  5. 解決策
  6. 応用例
  7. 今後の展望

これらのような、あるいはこれらに近い視点でまとめています。
これはそのまま、技術士二次試験対策に直結するまとめ方です。

このシリーズの記事は次のような方にオススメです!

  • 技術士二次試験(経営工学部門)受験予定の方
  • 技術士二次試験(経営工学部門以外)の受験予定の方
  • 技術士に興味はないけど、経営工学を勉強したい方

ぜひ、それぞれの目的に合わせて勉強にもお役立てください!

キーワード名

活動基準原価計算(ABC:Activity Based Costing)

定義・背景

〇定義
活動基準原価計算(ABC)とは原価管理において間接費を適切に管理するための計算方法。
ABCは製造業の間接経費の計算方法として考案されたが、官公庁や自治代などでも取り入れられている。

〇背景
間接費は、従来だと直接労務費や直接作業時間などに基づいて製品に配賦されていた。
昔の少品種大量生産の場合、直接費の割合が高く、間接費の配布が不適切でも収益の誤差が目立たない傾向であった。

しかし、昨今の製造業における多品種少量生産においては、従来の方法では製品ごとのコスト発生要因に対し間接費を配賦することが困難となった。

総コストにおける間接費の割合が高まり、適切な配賦が必要になることで考案されたのがABC。

-memo-
間接費とは、どの製品の製造に関わったのか定かではない費用のこと。
例えば、服薄の製品に使用する塗料や接着剤などの消耗品、設備の光熱費や燃料費など。

原理・特徴

〇原理
①前提条件
製品X・Yを例に計算方法を解説する
  
X・Yの間接費合計:100000円
Xの直接作業時間:100時間
Yの直接作業時間:400時間

②従来の計算方法による間接費の算出
Xの間接費:100,000 × 100/500 = 20,000円
Yの間接費:100,000 × 400/500 = 80,000円

一方、ABC方式では工程を分けて考える

③製品ごとの各工程における所要時間
【製品X】
工程1:50時間
工程2:50時間

【製品Y】
工程1:100時間
工程2:300時間

工程1に合計60,000円、工程2に合計40,000円要した場合、

④各工程における製品Xの間接費は
【工程1】
60,000円 × 50/150 = 20,000円

【工程2】
40,000円 × 50/350 = 5,714円

∴Xの間接費
20,000 + 5,714 = 25,714円

⑤同様に、製品Yの間接費は
【工程1】
60,000円 × 100/150 = 40,000円

【工程2】
40,000円 × 300/350 = 34,286円

∴Yの間接費
40,000 + 34,286 = 74,286円

以上のように、各製品における間接費は、
 

  • 工程別での間接費合計が既知である
  • 各工程で、製品ごとの所要時間が既知である

 
という、2点が前提となり、初めて計算可能となる。  

メリット・デメリット

〇メリット

  • 適正な製品の価格設定を行える
  • ABC分析のメリットは、各工程でのコストや資源の動きが明確になるため、ある程度正確な間接費の計算が可能になる。

直接作業時間の割合からの概算値より、ABC分析の方が実態に近い間接費の割り当てが可能なため、コストに見合った適正な価格設定を行える。

〇デメリット

  • データ収集に時間がかかる
  • ABCで計算するには、「各工程に要した時間」や「作業回数」を知る必要がある。
    そのデータ収集に時間を要することがABCのデメリットの1つ。

    まず工程ごとにデータを集めるには、どのように工程を分けるか考えなければならないう。
    細かく分けるほど計算の精度は向上しますが、データ収集の負担は大きくなる。

    さらに、実際のデータ収集は作業現場で行うしかありません。 
    しかしこれは、現場のスタッフにとって大きな負担となる。

    なぜなら、データ収集は1度きりではなく、継続的に行う必要があるため。

  • 誤った判断を下す可能性がある
  • ABCはあくまでも、従来の間接費計算より精度が高いというだけ。
    間接費は流動的なものも多いため、正確に計算するのは不可能。

    そもそも間接費は、経営判断における指標の1つでしかない。
    そのため、間接費の観点から利益の少ない工程や製品があっても、それらを不要と断定することは困難。

    例えば、無料サンプルを思い浮かべると、わかりやすい。
    本来の製品を作るのに加え、サンプル品まで作るのはコストがかかる。
    しかも無料であるため、それ自体から利益は得られません。
    しかし、無料サンプルよって販売促進効果が得られれば利益はあったといえる。

    このようにABCの計算結果だけでは、わからない要素も踏まえたうえで、判断を下すことが大切。

    解決策

    原価計算や原価管理は、さまざまなデータの収集や整理・分析が必要なため、煩雑になりがち。
    「原価管理システム」を導入することで業務の効率化につなげることが可能。

    将来の展望

    ABM(Activity Based Management)とは、ABCによって得た情報をもとに間接費を管理すること。
    ABCは間接費を工程に分けて算出することから、どのような活動に発生したのか把握しやすいのが特徴。
    ABMではその特徴を活かし、各工程を見なおすことで効率化を目指す。

    従来の間接費算出方法では、どの工程にコストがかかっているのかわからないため、このような対策は困難であった。
    しかし、原料の調達工程で思いのほかコストがかかっているとわかれば、調達ルートを見なおすなどの対策が可能となり、生産性向上にも寄与する管理手法と言える。

    参考

    コメント

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