【経営工学キーワード】プライムコントラクター

経営工学
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

はじめに

経営工学に関連したキーワードを学習していて気付いたことがあります。

「多面的な視点が養われ、汎用性がめちゃ高い!」
「技術士二次試験の経営工学部門に限らず、多くの部門に応用可能な知識や方法論が満載!」

ということで、技術士二次試験(経営工学部門)の対策をしている時にまとめてきたキーワード集をほとんどそのままご紹介!
本経営工学キーワードシリーズの記事の特徴として、ある1つのキーワードをについて

  1. キーワード名
  2. キーワードを取り巻く背景
  3. 原理と特徴
  4. 問題点
  5. 解決策
  6. 応用例
  7. 今後の展望

これらのような、あるいはこれらに近い視点でまとめています。
これはそのまま、技術士二次試験対策に直結するまとめ方です。

このシリーズの記事は次のような方にオススメです!

  • 技術士二次試験(経営工学部門)受験予定の方
  • 技術士二次試験(経営工学部門以外)の受験予定の方
  • 技術士に興味はないけど、経営工学を勉強したい方

ぜひ、それぞれの目的に合わせて勉強にもお役立てください!

キーワード名

〇定義
プライム案件とは顧客と直接契約を交わした案件のこと。
因みに英語のprimeとは「第一等」や「主な」といった意味になる。
顧客から直接、案件の依頼が来た企業をプライム・コントラクタという。
これは案件の元請けという意味になる。
つまりプライム案件を獲得できれば企業に入るお金はそれだけ大きくなると言える。

〇関連用語

  • サブコントラクタ(サブコン)
  • 企業間の契約関係において、元請企業から業務を受注する立場にある下請企業のことを意味する。
    土木や建築工事の分野の用語であるほか、IT業界などでも使われている。
    また元請企業については、プライムコントラクターやメインコントラクターなどと呼ばれている。
    サブコン(下請)という立場になるのは主に中小企業であり、元請は大企業などを指す場合が多く見られる。サブコンと元請の違いは、同じ職種でも立場の違いによって得られる利益や、責任に差があることである。
    元請に比べて下請は立場上責任が重くない分、得られる利益が少なくなるという違いがある。
    またサブコンと言う用語は、その企業がどの立場にあるか(メインかサブか)を区別する際にも用いられている。

一次請けとの違いと特徴(業界内での関係性)

〇一次請け(元請け)と同義
プライム案件はクライアントから直接受注した案件のこと。
一方、「一次請け」はクライアントから案件を直接受注した企業を指す。
元請けやプライム・コントラクタも一次請けの同義語

IT業界は多重下請け構造が一般化しており、上位の受注者から近い順に元請け・下請け・孫請け、あるいは一次請け・二次請け・三次請けと呼ぶ。

元請けのプライム・コントラクタに対して下請けを「サブ・コントラクタ」と呼ぶケースや、下請け・孫請け企業を「協力会社」や「ビジネスパートナー(BP)」と呼ぶケースもある。

〇SIerとの関連性
SIerとはシステムの企画や運用サポートをする、システムインテグレーション(SI)を担う事業者のこと。
プライム案件を顧客と直接契約するのがSIであり、元請け企業となる。
SIが受けた案件を下請けへ開発依頼をしたりシステムの完成をする。
企業によってはSIerをSEが担当することもある。

〇ITコンサルティングファームとの関連性
ITコンサルティングファームとは、システムに絡んだコンサルタント戦略を練る人のこと。
ITコンサルティングファームは、企業の経営問題に対してITを用いて解決と支援を行うのが仕事になる。
ITコンサルティングファームとSIerは企画や運営によっては協力関係にある。

プライム案件のメリットとデメリット

〇メリット
●エンジニアにとってのメリット
プライム案件は基本的に大手SIerが受注し、組織構造や案件の規模・専門性によっては、開発やテストのプロセスを下請け企業に外注する。
プライム案件は元請け企業に所属するITエンジニアにとってどのようなメリットがあるのかを整理する。
 

  1. 他社に赴かなくて済む
  2. 下流工程を受注する下請け企業のITエンジニアは、元請け企業やクライアント企業に常駐して、開発やテストの業務に従事するケースが珍しくない。
    これを「客先常駐」と呼び、システム開発の現場では一般的な働き方。
    SIerが客先常駐を求めるのは、開発チーム・開発環境の一元管理や機密保持を目的としている。

  3. 要件定義や設計に携われる機会が増える
  4. プライム案件を受注するSIerは、企画から運用保守までのどのプロセスを担当し、また外注するかを選べる立場。
    システム開発は要件定義・設計・開発・テスト・稼働・運用保守といった流れで実施しますが、プライム・コントラクタは基本的に要件定義・設計までを担当し、開発以降のプロセスは下請け企業に外注する。

    下請け企業に所属すると開発(プログラミング)やテストといった業務が多く、上流工程に携わる機会は多くない。
    プライム・コントラクタに所属することで、上流工程におけるキャリアアップにつながる有意義な経験を積める。

  5. 働きやすい環境が整っている
  6. 開発プロジェクトが大規模であるほど開発期間は長く、クライアントから直接受注するSIerには資本力・経営体力が求められる。
    必然的にプライム・コントラクタは大手SIerであることが多く、下請けの中堅中小SIerより働きやすい環境が整っていることもポイント。

    過重労働が問題になりやすい開発・テストのフェーズは基本的に下請け企業が担当する上、大手SIerは労働組合の影響力も大きく、多くのプライム・コントラクタでは残業が比較的少ない傾向にある。

●企業にとってのメリット

  1. 主導権を握れる
  2. プライム案件を受注する企業は、クライアントと交渉して開発するシステムの仕様や納期を決る。
    システムをどのような設計にするか、またどの企業にどういった業務を外注するかもプライム・コントラクタ次第。
    システム稼働後の運用保守に関しても設計に含むため、企画から運用保守までプロジェクトの主導権を握れる。

    開発や運用保守の指示を受ける下請け企業は、プライム・コントラクタのような裁量権がない。
    元請け企業は、自社にとって有利な条件でプロジェクトを推進できる。
     

  3. 受注金額が多くなる
  4. プライム案件を受注する企業は、クライアントからプロジェクト全体にかかる費用を受注金額として請求する。
    納品までにかかるコストを計算し、下請け企業にいくらで発注するかはプライム・コントラクタ次第。
     
    下請け企業は限られた予算の中で開発やテストを実施しますが、手が回らなければさらに下位の孫請け企業に外注し、下位の受注者ほど薄利になっていく。
    プライム・コントラクタはコストを抑えやすい上流工程を担当する上、マージンを大きく取れるので、下請け企業より安定して大きな利益を得られるのがメリット。

〇デメリット
●エンジニアにとってのデメリット
プライム・コントラクタに所属することは、早い段階から上流工程に携われることや、給与・福利厚生で高待遇が受けられるといったメリットがあるが、デメリットを把握しておくことも重要。
以下で、ITエンジニアにとっての2つのデメリットを解説
  

  1. 開発や技術面の成長はしにくい
  2. プライム案件を受注する企業は基本的に上流工程に特化しており、開発以降のプロセスは下請け企業に外注することが一般的。
    プライム・コントラクタによってはプログラマーのポジションがなく、プログラミングをする機会が少ない上、新卒入社から上流工程に携わるケースもある。
    プライム・コントラクタに所属するITエンジニアは上流工程におけるキャリアアップを目指しやすい反面、プログラミングやテストといった技術的な知識・スキルを伸ばしにくいのはデメリット。

  3. 雑務に追われる
  4. プライム・コントラクタが下請け企業に開発以降のプロセスを外注する場合、元請けとしての担当業務は顧客窓口や上流工程だけではない。
    プロジェクトの進捗管理や下請け企業との受発注管理も、元請けとしての重要な業務。
      
    開発・テストのフェーズはスケジュール通りに進行しないケースが多く、元請け企業はトラブルや納期の相談に対応する。
    納品までは管理・調整に関するさまざまな業務が発生するので、ITエンジニアとしての専門スキルよりも、マネージャー・調整役としてのヒューマンスキルを求められやすいことが注意点。

プライム案件の今後の展望

ITエンジニアにとってプライム案件に携わることは、システムの中枢に直接関われることもあり、大きなやりがいを感じられる仕事と言える。
ここでは、ITエンジニアがプライム案件に携わるために必要な素養を2つ挙げる。

〇即戦力となる能力を身につける
プライム案件に携わるためには、スムーズに業務をこなせるだけの即戦力が必要。
実用的な資格の保持や実務経験はもちろん、チームの一員として適応できるコミュニケーション能力を含めた人間力も大切。
エンジニアとしてさまざまな経験を積み、それらの経験や自分のスキルをアピールできるだけの能力を身につけることが求められる。

〇環境を変え適応能力をつける
ITエンジニアにとって実力をつける方法のひとつとして、適切なタイミングで環境を変えていくという方法がある。
ひとつの会社で働き続け、技術者としてだけでなく、コミュニケーション能力やマネジメント能力などを学んでいく方法もありますが、多くの環境に身を置くことによって、さまざまなプロジェクトに携われ、臨機応変な動きが取れる実力が身につく。
今いる会社では学べない最新技術を活用している環境や、社内セミナーが充実している環境など、スキルアップできる環境を転職によって見つけるという方法を検討することも求められる。

参考

コメント

タイトルとURLをコピーしました