【経営工学キーワード】在庫回転率

経営工学
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はじめに

経営工学に関連したキーワードを学習していて気付いたことがあります。

「多面的な視点が養われ、汎用性がめちゃ高い!」
「技術士二次試験の経営工学部門に限らず、多くの部門に応用可能な知識や方法論が満載!」

ということで、技術士二次試験(経営工学部門)の対策をしている時にまとめてきたキーワード集をほとんどそのままご紹介!
本経営工学キーワードシリーズの記事の特徴として、ある1つのキーワードをについて

  1. キーワード名
  2. キーワードを取り巻く背景
  3. 原理と特徴
  4. 問題点
  5. 解決策
  6. 応用例
  7. 今後の展望

これらのような、あるいはこれらに近い視点でまとめています。
これはそのまま、技術士二次試験対策に直結するまとめ方です。

このシリーズの記事は次のような方にオススメです!

  • 技術士二次試験(経営工学部門)受験予定の方
  • 技術士二次試験(経営工学部門以外)の受験予定の方
  • 技術士に興味はないけど、経営工学を勉強したい方

ぜひ、それぞれの目的に合わせて勉強にもお役立てください!

キーワード名

在庫回転率

言葉の定義(在庫回転率とは)

一定期間中に在庫が何回入れ替わったかを示すレート。
例えば1か月の間に在庫が5回入れ替わったら、「5回/月」となる。

在庫回転率の計算には2種類の方法がある。

金額を指標とする場合

在庫回転率 = 期間中の売上原価 ÷ 期間中の平均在庫金額

※売上原価 = (期首の商品棚卸高 + 商品の仕入れ高) ー (期末の商品棚卸高)

この売上原価を平均在庫金額(「棚卸資産」や「平均商品在庫高」ともいう)で割ることで在庫回転率が求まる

在庫数を指標とする場合

在庫回転率 = 期間中の総出庫数 ÷ 期間中の平均在庫数

 ※期間中の総出庫数 = 対象の期間における日々の出庫数の合計
 ※期間中の平均在庫数 = 期間中の期首と期末の在庫数を足して2で割る

以上のように、「金額」と「在庫数」の異なる指標を用いて在庫回転率を求めることが可能。
より正確に求められるのは「在庫数」を用いた方法。

在庫回転率で管理する理由

店舗や工場の経営において、在庫回転率は見落としてはならない指標であり、常に正確に把握する必要がある。
その理由として、

  • 在庫回転率から、事業の好・不調を知ることができ、自社の経営状態を正しく把握できる
  • 適正在庫を把握することで余剰在庫を持つことなく、余計なコストを抑えられる
  • 適正在庫を正しく把握し、欠品等のリスクも抑えられる

が挙げられる。

在庫回転率を計算するうえでの問題点・デメリット

「金額」を用いて在庫回転率を算出する際には、一年の会計処理をまとめた決算書が必須となるため、一年ごとの計算しかできないというデメリットが生じる。

また、この計算方法は棚卸高の概念をベースにしているが、棚卸項目には製品・仕掛品・原材料・貯蔵品が含まれる。
結果、商品の原価以外の要素にも左右されるため、正確な在庫回転率を求めるのは難しくなってしまう。

解決策

一方で、「在庫数」を用いて在庫回転率を算出する場合、決算書が不要なため、月単位・週単位など必要な期間に区切って計算することができる。
また、数量以外の要素に左右されることなく、正確な数値を求めることが可能になり、在庫管理の現場の実態を把握することができる。

応用例

狙いとすべき在庫回転率の適正値を把握する。
在庫回転率の適正値は、業種により異なる。
例えば、完成品を取り扱う小売業や卸売業と比べると、材料の仕入れ、製造・検査・出荷までに時間がかかるため、在庫回転率は低いのが通常。
一方、飲食店では消費期限や賞味期限のある食材を扱うのが一般的なため、素早く材料を消費しなければならないため、在庫回転率は高く設定する必要がある。
特に鮮魚などを扱う場合、在庫回転率は100%に近くなる。

また、以下のように在庫回転率を把握するメリットを3つ示す。

①顧客ニーズをリアルタイムで把握できる
回転率の高い商品は顧客のニーズにマッチしていると言える。
回転率の低い商品は保管コストが高まり、保管スペースの圧迫というリスクが伴う。

極端に回転率の悪い商品に関しては思い切って扱いを取りやめることで、在庫回転率の高い商品のための保管スペースとして活用するというアプローチが出来る。

このように、ニーズの把握が出来ていれば、ニーズの強い動向の商品在庫を増やし、動きの鈍いものは在庫を減らすなどの対応が取れるため、利益効率が高い体制を整えるが可能となる。

②在庫の動きを可視化できる
在庫数だけではなく在庫回転率を把握することで、在庫の動向を正しく具体的に可視化できる。
商品ごとの出荷ペースや販売ペースをリアルな数字として把握するためには在庫回転率は重要な指標となる。

③過剰在庫・在庫不足のコストやリスクが削減できる
在庫回転率が鈍い商品は、悪く言ってしまうと売上に繋がりにくい不要な商品。
回転率データを定期的に取得すれば、現状と過去を分かりやすく比較する事が出来、今の状態の在庫が適切かどうかという判断が可能になる。

回転率が変動する場合、高い状況の時と同じ入荷を繰り返してしまうと、在庫過多になる。
結果として、保管コストだけではなく廃棄コストのリスクも高まってしまう。

逆に、入荷ペースが回転率の低い状態のままで、出荷が増えた場合、在庫不足による欠品が生じるリスクもある。

定期的に在庫回転率データを比較すれば、早期に無駄なコストの削減や欠品リスクの抑制を行うことが出来る。

在庫回転率を高める方法

在庫回転率を高める方法には、下記の4つが挙げられます。

〇定期的に在庫状況を可視化する
この効果として、余剰在庫の削減や適正在庫数の割り出しにつながる。
結果、自社の在庫状況の課題と在庫回転率を上げるための対策が明確になる。

〇リードタイムを短縮する
製造リードタイム(原材料~出荷)、調達リードタイム(残材料や部品の発注~納入)、客視点での納品リードタイム(注文~納品)など立場や状況でリードタイムの期間の定義が変わる。
例えば、ECサイトでは「リードタイムの短さ」がサイト全体の評価を左右する。
リードタイムを短縮することで顧客満足を高めリピーターを増やし、サイト全体の売上が上がり、結果的に在庫回転率を向上させる。

〇ロケーション管理の最適化
ロケーション管理とは、倉庫内のどこに何がどのくらいあるのかを明確にする事。
これを行うことで倉庫内での紛失・汚損を減らし在庫回転率を上げることができる。
 
不要な在庫をすぐに片付ける等、整理整頓を徹底することはもちろんのこと、WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)を用いるのも有効。
WMSは、商品が倉庫に入庫してから出庫するまでを一元管理できるシステムで、適切なロケーション管理には欠かせない。

〇POSレジの導入
POSレジとは、販売時点(Point of sales)の商品の流れをデータ化して、集約できる機能を持ったレジ。
POSレジでばーこどをスキャンすることによって、商品が「いつ、どこで、どれくらい売れたか」といった情報を吸い上げることができる。

POSレジで店舗と倉庫の在庫状況を一元管理できれば、余剰在庫を抱えるリスクが減り、在庫回転率を向上させることができる。

参考

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