【経営工学キーワード】注文方式・生産量・生産形態

経営工学
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はじめに

経営工学に関連したキーワードを学習していて気付いたことがあります。

「多面的な視点が養われ、汎用性がめちゃ高い!」
「技術士二次試験の経営工学部門に限らず、多くの部門に応用可能な知識や方法論が満載!」

ということで、技術士二次試験(経営工学部門)の対策をしている時にまとめてきたキーワード集をほとんどそのままご紹介!
本経営工学キーワードシリーズの記事の特徴として、ある1つのキーワードをについて

  1. キーワード名
  2. キーワードを取り巻く背景
  3. 原理と特徴
  4. 問題点
  5. 解決策
  6. 応用例
  7. 今後の展望

これらのような、あるいはこれらに近い視点でまとめています。
これはそのまま、技術士二次試験対策に直結するまとめ方です。

このシリーズの記事は次のような方にオススメです!

  • 技術士二次試験(経営工学部門)受験予定の方
  • 技術士二次試験(経営工学部門以外)の受験予定の方
  • 技術士に興味はないけど、経営工学を勉強したい方

ぜひ、それぞれの目的に合わせて勉強にもお役立てください!

注文方法の分類(2種類)

〇受注生産

  • 定義
  • 受注生産とは、”顧客(法人、個人など)が定めた仕様”の製品を、生産者が生産する形態。
    品質、価格、数量は顧客と生産者の協議によって決定する。

  • 特徴
  • 受注生産の場合、一般的に完成品在庫は持たない。

  • 課題
  • 受注量・質に波が生じやすい。
    仕事の負荷を平準化して操業度を一定の水準に保つことが利益確保とためにも課題である。

〇見込生産

  • 定義
  • 企業が需要予測に基づいて”生産計画”を作り、その計画に基づいて生産し、”不特定の顧客を対象として”市場に出荷する生産形態。

  • 特徴
  • 自社または販売店に完成品在庫を持つ。

  • 課題
  • 需要予測の精度を上げて、完成品在庫を適切な水準に保ち、かつ品切れも防止することが利益確保と顧客満足向上のために重要。
    デジタル家電や携帯電話など、製品ライフサイクルが半年程度のものも多いので、旧製品の在庫を大量に抱えると生産者は大きな損害を被ることになる。

〇半見込半受注生産

  • 定義
  • 途中まで見込生産で製造し、ある程度の半製品の在庫を持ち、最終製品は受注生産で製造する場合もある。

  • 適用例
  • デル(Dell)社はパソコンをこの方式で作っている。
    この方式をBTO(Build to Order)と呼ぶ。
    見込生産と受注生産の分岐点を”デカップリングポイント(Decoupling Point)と呼ぶ。

    生産形態の分類(3種類)

    〇個別生産

    • 定義
    • 個々の注文に応じて、その都度一回限りの生産を行う生産形態。
      大型船舶やロケットなどでよく見受けられる。

    • 特徴
    • 注文ごとに異なる部品や材料を使うため、一般的には最終製品の価格は高くなる。

    〇ロット生産

    • 定義
    • 品種ごとに”生産量をまとめ”て、”複数の製品を交互に”生産する方式で、個別生産と連続生産の中間的な生産形態。
      プラスチック部品やプレス部品などの製造に用いられる。

    • 特徴
    • 一般的に、生産ロット間に金型交換(段取り)を行う。
      段取時間をいかに短くするかが、生産性向上のカギとなる。
      トヨタ生産方式ではリーン生産方式の一つとして、プレス機械に設置された金型の交換時間を改善によって短縮し、10分以内に金型交換を完了する「シングル段取り」を取り入れている。

    〇連続生産

    • 定義
    • 同一の製品を一定期間続けて生産する方式。

    • 特徴
    • 以前は連続生産と言えばベルトコンベア上に製品を流す「ライン生産方式」が一般的であった。
      最近では、電気機器製造業などを中心に、「セル生産方式」も連続生産方式として普及している。

    生産量の視点による分類

    〇世の中のトレンド|多品種少量生産
    品種数と数量の関係から分類すると、多品種少量生産、中品種中量生産、少品種多量生産の3つに分類できる。
    ただし、多品種少量とは「品種が○○以上で生産量が○○以下」といった厳密な定義は存在しない。
    あくまで感覚的な分類。

    現代のトレンドは、顧客のニーズの多様化により、多品種少量生産が増加傾向。

    注文方式・生産量・生産形態の3つの観点の関係

    受注生産の場合は、多品種少量生産、かつ個別生産となるケースが多い。
    例として、ロケット、大型タンカー、大型建設機械などの製造を想像するとイメージしやすい。

    一方、見込生産の場合は、少品種多量生産活、連続生産となるケースが多い。
    洗濯機、冷蔵庫、液晶テレビ、デジタルカメラなどをイメージすると分かりやすい。

    また、ロット生産は個別生産と連続生産の中間的な生産形態なので、受注生産と見込生産のどちらの場合もある。

    ただし、これまでのことは一般的な傾向であり例外もある。
    例えば、日本国内で大量生産の自家用車を購入する場合、注文を受けた後で具体的な生産予定を確定する受注生産でありながら、ベルトコンベア上の連続生産方式であるケースが一般的。

    参考

    田島悟:生産管理の基本と仕組み, アニモ出版

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