【経営工学キーワード】RFID

経営工学
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はじめに

経営工学に関連したキーワードを学習していて気付いたことがあります。

「多面的な視点が養われ、汎用性がめちゃ高い!」
「技術士二次試験の経営工学部門に限らず、多くの部門に応用可能な知識や方法論が満載!」

ということで、技術士二次試験(経営工学部門)の対策をしている時にまとめてきたキーワード集をほとんどそのままご紹介!
本経営工学キーワードシリーズの記事の特徴として、ある1つのキーワードをについて

  1. キーワード名
  2. キーワードを取り巻く背景
  3. 原理と特徴
  4. 問題点
  5. 解決策
  6. 応用例
  7. 今後の展望

これらのような、あるいはこれらに近い視点でまとめています。
これはそのまま、技術士二次試験対策に直結するまとめ方です。

このシリーズの記事は次のような方にオススメです!

  • 技術士二次試験(経営工学部門)受験予定の方
  • 技術士二次試験(経営工学部門以外)の受験予定の方
  • 技術士に興味はないけど、経営工学を勉強したい方

ぜひ、それぞれの目的に合わせて勉強にもお役立てください!

キーワード名

FRID

定義と背景

〇定義
RFIDとは「Radio Frequency Indetification」の略で、電波を用いて専用タグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術。
商品や食品に電子情報を登録したRFタグを貼り、専用のリーダーで内容を読み取ることができる。

【関連用語】
Radio Frequencyとは「高周波/ 無線周波数」の意。

〇背景
RFIDの根幹となる無線周波数識別技術のルーツは第二次世界大戦にまで遡る。
1935年にスコットランドの物理学者であるロバート・アレクサンダー・ワトソン・ワット氏により発見された。
基地からレーダーを送信し、送信機の取り付けられた戦闘機がレーダーを感知することで戦闘機の場所を把握する技術を用いていた。
現在のアクティブ・タイプのRFIDテクノロジーも同じ基本概念で機能している。

現在のRFID技術の根幹となる「書き換え可能なメモリを備えたタグ」がアメリカで初めて特許付与されたのは1973年1月であった。
発明家のマリオ・カルデューロ氏(Mario W. Cardullo)によって申請された。
同年、起業家のチャールズ・ウォルトン氏(Charles Walton)もRFIDに関する特許を取得し、これがビジネス向けに使用された最初のケースだと言われている。
特許内容は現在でもオフィスなどで使われている「社員証などのICカードによるドアの解錠」に似た技術である。
ただし、ドアを解錠するために鍵ではなくデータが埋め込まれたカードを使用する。
ドアの近くに取り付けられたパッシブ・トランスポンダー(RFIDリーダー)がカード内のデータを照合しドアの解錠を行う、といったもの。

原理・種類・特徴

〇RFIDの原理

  1. リーダーから情報を発信
  2. リーダーが情報を電波または磁界に乗せ、RFタグに送信する。

  3. RFタグが情報を受信
  4. RFタグがアンテナで電波または磁界を受信し、そこに乗せられた情報を取得する。

  5. 電気の発生
  6. RFタグが電波または磁界を受信すると、アンテナに電力が発生する。
    この電力による給電を受けてRFタグは機能します。

  7. RFタグ内での処理
  8. 制御回路やメモリが動作し、必要な処理が行わる。

  9. RFタグから情報を送信
  10. RFタグ内部のデータを、電波または磁界に乗せてリーダーに送信する。

  11. リーダー側で受信
  12. RFタグから送られた電波あるいは磁界を受信し、そこに乗せられた情報を取得する。

〇種類(周波数帯別)

  • LF帯(Low Frequency)
  • 自動車のキーレスエントリーなどに利用されている。
    通信範囲が狭く、小型化が困難。
    環境に左右されにくいのが特徴。
     

  • HF帯(High Frequency)
  • 基本的な仕組みはLF帯と同じだが、HF帯は小型化が容易。
    交通系ICカードなどに使われている。
    水の影響を受けにくいのが特徴。
     

  • UHF帯(Ultra High Frequency)
  • 通信範囲が広いため、在庫管理など多くのRFタグを一括読み取りする場面で活用されている。
    通信距離が長いことが特徴。
     

  • マイクロ波帯
  • 電波干渉を受けやすく、通信範囲も狭いため、やや扱いづらい種類。
    アンテナが小型なのが特徴。

〇種類(電源供給方式)
●パッシブタグ(Passive Tag)

  • アンテナ(リーダライタ)からの供給電力のみで動作
  • 交信距離 : 数mm~数m

●セミパッシブタグ(Semi-Passive Tag)

  • アンテナ(リーダライタ)からの供給電力と内蔵電池エネルギーで動作
  • 交信距離 : 数cm~数m

●アクティブタグ(Active Tag)

  • 内蔵電池のエネルギーで自ら動作
  • 交信距離 : 数m~数10m
  •   ※ロープライスでメンテナンスフリーのパッシブタグが最も多く採用されている。

〇特徴

  • 複数のタグを一括で読み取れる
  • 従来のバーコードやICタグの場合、リーダーで一つずつかざして情報を読み取る必要があった。
    そのため、手作業でカウントするよりも効率はよいものの、商品数が多いと大きな負担になる。

    一方、RFIDであれば一度に複数のタグ情報が読み取れる。
    したがって、従来の方法と比較するとピッキングや棚卸業務にかかる時間を大幅に短縮可能。
    従来のバーコードによる運用と比較すると、1/10ほどの時間で業務が完了することもある。

    もう一つのメリットとしては、一つずつカウントする場合より数え漏れなどのミスが発生しにくい点である。
    一定範囲のRFタグを一括で読み取れれば、カウント漏れなどのミスも削減可能になる。
    担当者の業務負担も大幅に減るため、人材不足が課題の企業にも強力な技術である。

  • タグとの距離が離れていても読み取れる
  • 従来のバーコードは通信距離が非常に短いため、リーダーで読み取るには商品に近づく必要があった。
    高所の商品を検品するときには落下などのリスクが発生する。

    一方、RFIDの通信距離は数メートルから数十メートルまでにも及ぶため、脚立を使わずに読み取ることが可能。
    作業者が高所で作業する必要がなく、安全を確保できる。
    また、作業者が移動したり商品を手元に引き寄せたりする手間もないため、作業効率が向上する。

  • タグが箱の中に入っていても読み取れる
  • 商品のタグやバーコードが箱の中に入っているケースもある。
    従来の方法であれば、一つひとつ箱を開けてバーコードを読み取らなければならないため、非常に手間がかかっていた。

    RFIDであればRFタグが箱の中にあっても情報が読み取れる。
    商品の数も同時にカウントできるため、作業効率の大幅な改善が可能。
    箱を開けて取り出す作業がなくなることにより、紛失や破損のリスクも軽減する。

  • タグが汚れていても読み取れる
  • 基本的にバーコードは、バーとスペースの間隔を読み取ることで情報を取得する。
    したがって、読み取り面が汚れているとリーダーで読み取れない。
    この場合、表記されている数字を手入力する必要があります。

    一方、RFIDはアンテナを用いて情報の送受信を行うため、タグの表面が汚れていても問題ない。
    したがって、作業環境が悪いケースなど、タグが汚れる可能性がある場合などでの活用も有効である。

問題点

〇初期コストがかかる
RFIDを導入するためには、専用のリーダーとRFタグを用意しなければならない。
特に、用意すべきタグの数は管理したい商品数に比例するため、倉庫の規模によっては膨大な数を購入する必要が生じる。

そこで注目すべきなのがコストパフォーマンスである。
一般的に、RFタグの価格は1枚あたり10円程度です。
このコストに見合うメリットが得られないのであれば、RFIDの導入は見送るべきである。
したがって、RFIDを導入した場合、業務負担がどれほど減少するのか試算する必要がある。
例えば、時給1,000円の従業員5人で行う棚卸の所要時間が、RFIDより3時間短縮するのなら、「1,000×5×3=15,000円」が削減されることになる。

〇環境によってはうまく読み取れない場合がある
RFIDは完璧なものではなく、リーダーでRFタグの情報を読み取れない場合もある。
例えば、アルミで覆われた商品などは電波を弾いてしまうケースがある。
また商品が重なっていて、タグ同士が非常に近い場合も読み取れない可能性がゼロではない。

前者の場合は、事前にアルミを使った製品かどうか確認することが肝要である。
後者の場合は、何回か読み取り動作を行うことで情報を取得できる場合もある。
1度で読み取り率100%を実現するのは難しいため、数回読み取りを試みたうえで100%を目指すという運用を心がける必要がある。

解決策

〇スマートマットの導入
モノの在庫を重量で管理するスマートマットという在庫管理自動化IoT機器としての商品がある。
バーコード読み取りでは一つ一つ読み取る手間が生じ、FRIDは精度が高く、一括読み取りなどが可能なものの、一つ一つタグを貼る手間はどうしても生じる。
一方、スマートマットはモノの下に敷くだけで在庫量が把握できるため数量を数え上げる手間が一気に省ける。
  
サイズはA3~A5まであり、はみ出しても計測可能。
電池とWi-Fiで作動するため、ケーブル類も不要。

スマートフォンやPC上のアプリと連動しており、在庫量・在庫記録・データ転記(CSV)・データ保存が自動で行える。
さらに、既定の在庫量以下になったら自動発注する設定も可能。

重量で管理できるものに限定されるが、在庫チェックの手間・ミス・漏れ・発注の手間を削減できるばかりでなく、うまく活用すれば省スペース化にもつながる。
書類・食品・部品類など様々な在庫管理として応用されている。

適用事例

〇賞味期限や消費期限の管理
RFタグには賞味期限や消費期限の登録が可能である。
陳列されている商品や倉庫に保管している商品の鮮度を簡単に確認できる。
棚の奥に並んだ商品も逃さず確認できるため、賞味期限が近い商品を漏れなくピックアップできます。
食品の適切な品質管理が実現できる。

〇生産から販売までの一括管理
RFIDを活用すれば、生産から販売までのプロセスを一元管理できるため、商品の検品、入荷、在庫管理、棚卸、販売などすべての工程において効率化を目指すことが可能。
さらにトラブルが発生した場合も容易に商品を追跡できるできる。
  
近年では商品の安全性が重視されており、イレギュラーが発生したときの対応が求められている。(トレーサビリティ)
従来の方法では商品の追跡に時間がかかるなか、RFIDであれば短時間で追跡可能。
すべてのプロセスの見える化により、原因を追究して対処を行うだけでなく、改善までのスパンの短縮も可能になる。

〇レジ業務の効率化
レジ業務において顧客が購入する商品数が多い場合、一つひとつ商品をスキャンするのに時間がかかる。
これでは業務の効率が低下し、時間当たりに得られる利益が低くなります。
またレジでの待ち時間が顧客の不満につながり、利益が減少する可能性も否めない。

RFIDを活用すれば大量の商品を1度で読み取れる。
業務が効率化するとともに、顧客満足度を高められる。

今後の展望

RFIDとは電波を用いて非接触でデータの読み書きをする自動認識技術。
手作業ではミスが発生する場面もRFIDの導入により、業務改善や効率化の実現を後押ししてくれる。
前向きな導入を検討すべきである言える。

参考

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