【心理学】冷却と加熱を使った意思のコントロール術

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はじめに

本記事を理解する上で、まずは下記の記事をご覧ください。(※短い記事ですので1分で読み終わります)

【心理学】クールな意思決定を促進する「将来割引」
人は現在より未来のことを軽んじる傾向があります。それを「将来割引」と表現します。それは、ある種本能的な部分でもあるので致し方のない事。でも、将来の価値を割り引いてばっかりいたら、いつまでも良い習慣が身に付かなかったり、成功を遠ざけてしまいます。そうならないために、まずはこの記事で正しい知識を身につけましょう。

上記の記事で登場したケビンのトレーニングの例。
そのケビンが一体いつになったらトレーニングを開始できるのか、その答えが今ここに!

参考書籍は前記事に続き、こちら

基本原理は「今を冷却」し「あとでを加熱」する

いかにも教育本のように思えますが、この本は大人や社会人が自身のためにこそ応用してほしい内容が詰まっています。
年齢に関係なく、自制の核をなすのは「今を冷却」し「あとでを加熱」することにあります。
目の前の誘惑を”時間的にも空間的にも遠くへ”押しやり、遠く離れた報酬を頭の中で近くに持ってくること。
遠くへ押しやったり、近くに持ってきたりってよく分からない。
そんな時は、前記事で触れた数式に置き換えてみましょう。

Z = a×X + a×Y

  • Z: 活動によってもたらされる純利益(プラスであれば報酬を先延ばし、マイナスであれば現在の報酬を優先)
  • X:活動がもたらす苦痛や必要とする努力(マイナスの数)
  • Y:活動によって得られる報酬(プラスの数)
  • a: 将来割引率(ただし、aは将来のことに対してのみ発動する係数)

でしたね。
今を冷却することは、すなわちXを小さくすること。
あとでを加熱することは、すなわちYを大きくすること。
もう一つ考えられるのが将来割引率aを小さくすることもあるかもしれません。
ただ、aを小さくすることは前記事のケビンのトレーニングの例で触れたとおり、結局いいことも後回しになってしまう負のスパイラルを生みかねない副作用があります。
ですから、「Xを小さく、Yを大きくする」ことが賢明です。

無機質に数式中のパラメータの大小だけで論じてきましたが、ここから具体的なアクションプランを考えてみましょう。

冷却と加熱の具体的方法

今を冷却する方法
例えば太ってしまうのが嫌でも目の前のスイーツに手が伸びてしまう人や、タバコがやめられないスモーカーを想定します。
今を冷却すること = 目の前の物の魅力を減少させること
です。
つまり、スイーツを食べた時の”甘いくちどけ”、”香ばしい香り”、”ふんわりした触感”といったいかにも情動に訴えかけるような要素を排除するのです。
例えばマシュマロであれば、「甘くてふんわりしたお菓子」、ではなく「白くて丸っこい物体」という無機質な側面に意識を集中させます。
タバコであれば(私は吸ったことがないのでわかりせんが)、吸った時の「口から鼻に抜けるスモーキーな香りと頭がすっきりする感覚を起こす魔法のスティック」ではなく、「何かの葉を白い紙でつつんだ臭い棒」という側面に意識を集中させます。

さらに効果的なのが、魅力的なものを「額縁に入れてしまう」というやり方です。
適当な額縁がない場合がほとんどでしょうから、両手の親指と人差し指で四角く縁をつくり、そこに納めてしまうのもいいでしょう。
まるで写真か絵画にでもなってしまったかのように、確かにそこにあるような気がするけど手に取れない絵として無機質化してしまうのです。
こうすることで、情動や感情ではなく思考で捉えることで、「あぁ、スイーツがあるな、でも別に今食べる必要はないな」と一歩引いた冷静な判断が下せます。
このような方法で、「今を冷却」することで、上式のXが小さくなります

あとで(将来)を加熱する方法
あとでを加熱する方法として、例えばネガティブなケースを想定しましょう。
例えば、タバコを吸い続けた末路を思い描きます。
肺ガンにかかり、チューブを挿入されてもがき苦しみながら担架で運ばれる自分の姿をリアルに想像します。
今まさに、たった一本のその誘惑に負けることはきっと明日も明後日も負け続けることを意味します。
そのちょっとした誘惑の積み重ねが散々たる無残な将来の自分作り上げてしまうことを詳細にイメージします。
どう考えたって嫌ですよね。どうにかして避けたい結果です。

今度はポジティブなケースを想定します。
たるんだ体を引き締めて引き締まったボディーを手に入れた末の肉体をイメージします。
今のたゆたゆのお腹が見事に凹み、うっすらと筋肉が盛り上がった割れた腹筋を想像します。
今にもピクピクと動きそうな胸筋と、逞しくも引き締まった上腕二頭筋をリアルに自分の体に投影します。
きっと異性からモテるばかりでなく同性からも尊敬され、鏡を見るたびに自己肯定感に満ちた自分であることが想像できるはずです。

これらのように、今の行動を続けた結果のベネフィットをできるだけ具体的にイメージします。
そうすることで、曖昧だった何となくといったモチベーションが確固たる将来像に代わります。
これにより「あとで(将来)を加熱」することができ、上式のYを大きくすることができます。

「イフ・ゼン」実行プランニング

「加熱と冷却」でより良い未来の自己像を実現する。
ただそれだけではなかなか上手くいかないこともあるでしょう。
よりその未来の現実のものにできるか、超強力な戦術となるのが「イフ・ゼン」実行プランニングです。
やり方はいたって簡単。
日常生活に潜む「イフ」(条件)と「ゼン」(その時とる行動)をセットで予め決めておく、それだけです。
つまり、行動の自動化システムを自身にプログラムします。

例をいくつか示します。

「もし冷蔵庫に近づいたら、その時にはドアを開けない」
「もし居酒屋が見えたら、その時には通りの反対側を渡る」
「もしお菓子コーナーが見えたら、その時には近づかない」
「もし歯を磨いたら、腕立て伏せを20回する」
「もし髪を乾かしたら、その時には本を1ページ読む」

ネガティブな事にもポジティブな事にも両方使えます。
ここで重要なステップは「イフ」を探すことです。
「ゼン」の取るべき行動は案外シンプルではっきり決まっているものです。
適切に「イフ」そ設定できるかがカギとなります。
自制の妨げとなるようなホットスポット(衝動的な反応のきっかけ)を突き止める必要があります。
そのホットスポットを突き止める方法の1つとして「日記をつける」ことが挙げられます。
自制心を失ってしまった瞬間のことを記録することに効果があります。
これは、自己観察を行いストレス反応を記録するエクスプレッシブ・ライティング(筆記開示)に似ています。
このように追跡記録し、自制心を失ってしまったホットスポットを突き止めてしまえば、必然的に「イフ」が決まってきます。

「イフ・ゼン」実行プランニングは禁煙、ダイエット、勉強、筋トレ等々様々なシーンで活用できます。
シンプルかつ最強の習慣作りの戦術です。
もはや試さない手はないですね。

まとめ

将来割引という現象から、時間軸で見る加熱と冷却の方法。
また、「イフ・ゼン」実行プランニングを使った最強の習慣術まで紹介しました。
心理学者のウォルター・ミシェル著 「マシュマロ・テスト」のほんの一部を私なりの解釈を加えて紹介しました。
まだまだためになるライフハックな情報が盛りだくさんですので是非手に取って読んでみて下さい。


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